ゼロ時間へ (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

  • 早川書房 (2004年5月14日発売)
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本棚登録 : 1273
感想 : 122
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ポアロじゃないクリスティも良い、一冊。

金持ち老婦人殺害事件は金銭目的か?単純な事件に見せかけながらそこに至るまでの綿密、巧妙な計画、絡み合う人間模様、奥が深い人間心理を描き魅せるミステリ。

ポアロはいない。けれど論理的に時に大胆に、決めたらとことん突き詰めていくバトル警視が良い。
充分読者を魅了する面白さだ。

殺人事件自体は物語の結末、つまりゼロ時間。
これは実に言い得て妙。今、この瞬間にもゼロ時間へ向かって思いが集約しつつあるのか…。

心に芽生えた些細な思いが人を変える怖さ、そこも味わえた満足な読書時間だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年2月26日
読了日 : 2021年2月26日
本棚登録日 : 2021年2月26日

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