街の灯 (文春文庫 き 17-4)

著者 :
  • 文藝春秋 (2006年5月10日発売)
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感想 : 334
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もう少し触れていたくなる、一冊。

昭和七年、上流階級のお嬢様とお付きの女性運転手が出会う日常の謎。

ハラハラドキドキなミステリも好きだけれど、こんな静かな日常の時間を切り取ったのも好き。

三編どれも謎解きはもちろんのこと、昭和初期の時代、上流階級の世界、生活を垣間見れたのが楽しかった。

銀座の当時の夜店の雰囲気にたっぷり酔いしれ、軽井沢の喧騒とは離れた自然界の描写に目を、醸し出される音に耳を傾ける。
そして謎とせつない言葉に心を傾ける。

このせつなさに出会う度、もう少し触れていたい気にさせられる、それがたまらない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年2月26日
読了日 : 2020年2月26日
本棚登録日 : 2020年2月26日

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