もう少し触れていたくなる、一冊。
昭和七年、上流階級のお嬢様とお付きの女性運転手が出会う日常の謎。
ハラハラドキドキなミステリも好きだけれど、こんな静かな日常の時間を切り取ったのも好き。
三編どれも謎解きはもちろんのこと、昭和初期の時代、上流階級の世界、生活を垣間見れたのが楽しかった。
銀座の当時の夜店の雰囲気にたっぷり酔いしれ、軽井沢の喧騒とは離れた自然界の描写に目を、醸し出される音に耳を傾ける。
そして謎とせつない言葉に心を傾ける。
このせつなさに出会う度、もう少し触れていたい気にさせられる、それがたまらない。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年2月26日
- 読了日 : 2020年2月26日
- 本棚登録日 : 2020年2月26日
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