哀愁の町に霧が降るのだ〈下巻〉 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1991年10月30日発売)
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感想 : 33
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うーん、面白かった。

たまーに出てくる、克美荘時代の食べ物の描写が好きで、めっちゃ美味しそう…
鍋でカツ丼作ったり、鳥を丸々食べたり…

あとはやっぱり登場人物が個性的で、頭イかれてて、お酒好きで、みんな腐れ縁で繋がってて。
なんだかちょっとだけlawn人っぽいなって微笑ましく思った。

下巻の後半を読んでて、これ、全然終わらなさそうだけど、終わるの?って思ったら、案の定というか、下巻でも全然完結してなくて。そこも、シーナさんっぽくていいような気もする。

現在と過去を、わかりやすく書くんじゃなくて、バラバラでごちゃ混ぜに書いてあるところがなんか好きだった。
森見さんの熱帯っぽさを感じたというか、千夜一夜物語ってこんな感じ?って。マトリョーシカを感じた。
普段、過去のことを思い出すときも、こんなごちゃ混ぜに思い出すよな〜って思うとしっくりするしなんか安心する。

結局どうなっていまに至ったのかがよくわからなかったから、続編とあとがきに書いてあった、新橋烏森口青春篇と、銀座のカラスも読んでみようかしら。

エッセイといっても、こんな赤裸々に、会社名まで書いていいのかしら?とか思う部分もあったけど、まあ時代が違うからなぁ、、最早時代小説ならぬ時代エッセイ…?

飲んだら吐くな、吐くなら飲むな。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: nobel
感想投稿日 : 2022年4月30日
読了日 : 2019年7月22日
本棚登録日 : 2019年3月10日

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