造花の蜜 下 (ハルキ文庫 れ 1-9)

著者 :
  • 角川春樹事務所 (2010年11月1日発売)
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本棚登録 : 453
感想 : 54
4

面白かったです。
上巻の続き…なのですが、ある意味別のストーリー。

下巻の前半は、上巻で起きた誘拐事件のからくりが明かされます。
それを語るのが犯人のうちの一人の心情と首謀者の手紙、という個人的にはあまり好きではない手法なのですが、そういった私の嗜好をもってしても面白いと思える仕上がりでした。
独白とも言える首謀者の手紙における、感情・感性の描写の細やかさというか、繊細さというか。

下巻の後半は舞台が仙台に移り、上巻で起きた誘拐事件そっくりの事件が起きます。
被害者となる家庭の長女の手記によって記されるこの事件の真相が、とにかく痛快。

事件はさっぱり解決していないのに、爽快さを覚えるから不思議。
面白かった、と声に出して呟いた一冊です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月14日
読了日 : 2022年10月14日
本棚登録日 : 2022年10月14日

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