向田邦子の陽射し

著者 :
  • 文藝春秋 (2011年8月19日発売)
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本棚登録 : 187
感想 : 26
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向田邦子さんのエッセイや短編小説、脚本を
太田光独特の感性で読み解き、それぞれベスト10を紹介、採録したもの。
著者自身も大変な読書家で、しかも小説や文章を書いているが、
向田さんの影響を大きく受けているらしい。
私も向田さんの書かれたものをよく読んでいて、
登場人物のイキイキとした表情が浮かび、とっても辛辣で凄みがあるのに、
なぜか人物が滑稽で生活臭漂う内容がとても好きだけど、
愛情を持って読み込んだ著者に寄るとても詳しい解説があって読むと、
また違う角度で読め、全然違った読み物になった。
ずいぶん前、向田邦子役を山口智子さんが演じたドラマ
『向田邦子の恋文』(向田邦子さんの妹さんが書かれた作品)を観て、
知らなかった向田さんの人生、美意識や葛藤を垣間見た。
今年の始めには、山口智子さんから見た向田邦子が記した家族と、
ご自身の家族について語った『向田邦子が教えてくれたこと』という番組も観て、
いろいろ考えるところがあったけど、
今回はまた違う視点で向田作品が読めて、読書の面白さを再確認した気がする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 読書 書評
感想投稿日 : 2012年4月17日
読了日 : 2012年4月14日
本棚登録日 : 2012年4月17日

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