奇子(上) (角川文庫 ん 11-29)

著者 :
  • KADOKAWA (1996年6月21日発売)
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本棚登録 : 890
感想 : 104
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国分寺の、とある古い名曲喫茶店は窓があまりないせいか、昼間でも店内はほの暗い。
私語や携帯が禁止の店内なので、静かに考えごとや執筆をするのにぴったりで、それに飽きると店内にある小さな本棚に手を延ばす。

そこで見つけたのが「奇子(あやこ)」。

戦後の下川事件、松川事件、三鷹事件を発端にし、戦後のアメリカと日本の従属的?関係を描きながら、惑わされる天外家の人々の話である。

地方旧家である天外家の父親、傲慢で淫乱な作右衛門。
戦争から機関し、のちにGHQ秘密工作員となる、次男、仁郎。
家を継ぎ資産を受けつぐことを狙う長男、市郎。
長男の嫁、悲しい女、すえ。
次女 志子は明るい性格でムードメーカだが、家に黙って「アカ」の活動に加わっている。
弟、伺郎はしっかりとした理論家。
そして奇子は、すえが義理の父親との間にもうけさせられた娘。

奇子は存在を隠され土蔵で育つ。

一度読み進めると、読むのが止められない麻薬のような本。

昭和史をしらないのでいまいち掴みにくいところがあり、学び直さなくてはと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2016年2月2日
読了日 : 2016年1月31日
本棚登録日 : 2016年2月2日

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