偶然見たNHKのドキュメントで東田さんを知って、いつかこの本を読みたいと思っていた。
そのドキュメント番組でもたくさんの衝撃を受けたのだけど、著書を読んでみて、より一層、東田さんの凄さというか、表現力に驚かされた。
私は今まで身近に自閉症の人はおらず、深く関わったことはないけど、電車の中で時々見かける、一人で話したり奇声をあげたりする人の姿が怖かった。よく知らないから怖い。何か危害を加えられそうで怖い。でもこの本を読んで、むしろ怖がらせているのはこちらの方なのかもしれないなと思った。
東田さんはこの本の中で、たくさんつらい・苦しいという言葉を書いているけど、東田さんたちの見ている世界は魅惑的ですばらしいものだ、とも書いている。その言葉に変な言い方になってしまうけど、なんだか救われた気持ちになった。
物の見方の違い(全体を見て部分を見るか、部分から見て徐々に全体を見るか)にはとても納得した。だから周囲の状況に気付くのが遅れて、そして驚いて、不安になってしまうのだな、と。
今まで未知の世界だった自閉症という障害。この本を通して素直な見解が知れて、本当に良かった。
出会わせてくれたNHKの番組に感謝。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
2015年読了
- 感想投稿日 : 2015年5月31日
- 読了日 : 2015年5月31日
- 本棚登録日 : 2015年5月31日
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