これにて個人的東京創元社文庫フェア終わりー。長かった笑。
あまり期待せず読み始めたけど意外に面白く読めた!終始気になる展開があり続けたのがよかったな。クリーヴァーなに企んでる!?からこいつ育ったらなにをし出すんだ…?だめだこいつ早くなんとかしてくれ!といった具合。
人類は宇宙で、神学的に到底許容できない存在、神を必要とせずとも理想的であることのできる存在と出会ってしまう。神に愛されてしかるべきであるにも関わらず神を信仰しない悪魔的な存在に危惧する主人公だが、地球に帰るそのとき、彼らから彼らの卵をもらい受けてしまい…。
神学SFと呼ばれているそうだけど、この話のキモは神学などでなくても物語が語れてしまうことじゃないだろうか。あらすじは神うんぬんに触れなくても説明できるし、現に登場人物の一人はまったく別のパラダイムで事物を解釈し行動している。SF的な出来事が起きた時に、神学はいかに語るかという思考実験。そして物語の中で神学は何をなしたか、という点に著者のドライな見解が表れているような。うーん。興味深い話だった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外古典
- 感想投稿日 : 2016年3月18日
- 読了日 : 2016年3月18日
- 本棚登録日 : 2016年1月31日
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