掏摸(スリ)

著者 :
  • 河出書房新社 (2009年10月10日発売)
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「でも、所有という概念がなければ、盗みの概念もないのは当たり前だろ? 世界にたった一人でも飢えた子供がいたとしたら、全ての所有は悪だ」

「子供の頃から、俺は花火大会が好きだった。貧乏人にただで見せてくれる、最高の娯楽だよ。…全ての人間に等しく、あの火花は空に上がるんだ」

『当時の僕は選択を目の前にした時、静止よりは動く方を、そして世界から外れる方を選んだ』

「脅す武器には、日本刀を使う。拳銃ではリアリティがないし、人間を短期間で脅すには、でかい刃物が一番いい。」

「消えたよ。跡形もない ー 正確にいえば、歯だけ残ってる。身体は焼いて、骨も焼いて白い粉末になった。歯は東京湾のどっかに散らばってるだろう。あれを砕くのはなかなか面倒だから。どこかに死体が埋まってるんじゃない。文字通り、消えたんだ」

「この人生において最も正しい生き方は、苦痛と喜びを使い分けることだ。全ては、この世界から与えられる刺激に過ぎない。」

『そんなに深刻に考えるな。これまでに、歴史上何百億人という人間が死んでる。お前はその中の一人になるだけだ。全ては遊びだよ。人生を深刻に考えるな。』

『世界は理不尽に溢れている。世界中で、生まれてすぐ飢えて死ぬ子供が大勢いるだろ。大地の上でバタバタと。そういうことだよ。』

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2017年1月17日
読了日 : 2017年1月17日
本棚登録日 : 2017年1月17日

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