冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (1999年3月12日発売)
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感想 : 916
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S&Mシリーズ2作目。

今回読み返してみて思ったのが、
この作品の影響を無意識に受けていたんだ
ということ。

人を待たせるのは人の時間を奪うこと、
問題を解くことより出すことの方が難しいこと、
この2点は特に今の私に根付いていて、
犀川先生の受け売りだったことを思い出して
びっくり。

今作も前作同様、
知的な会話を繰り広げていて楽しい。

ただ、今作はいつものコンビS&Mだけでなく
犀川の友人の喜多が出てくる。
この犀川と喜多の会話もまた面白い。

萌絵のときは教師然といった、
どうしても上下の関係を感じさせるけれど、
犀川と喜多は対等で会話が軽い。
会話はかなり知的なのに少し少年っぽさすら感じる。
それが新鮮でより楽しめた。

印象的な台詞は
「最も役に立たないということが、
数学が一番人間的で純粋な学問である証拠です。」
の部分。
学生の頃、なんでこんな無駄なこと学ぶんだろうと
考えていた自分が、ちょっと救われた感じ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2023年12月8日
読了日 : 2023年12月3日
本棚登録日 : 2023年12月3日

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