寄生獣(10) (アフタヌーンKC)

著者 :
  • 講談社 (1995年3月15日発売)
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本棚登録 : 1073
感想 : 65
5

人間の体に寄生し人間を主食とする「寄生生物」達vs主人公と周囲の人間達の戦い。

様々な問題を抱えた「人間」という存在を考え尽くす行為、そのものを表現した漫画。

ある意味“人間代表”として孤独な戦いを続けた結果、最終的に主人公新一が到った境地、
『他の生き物を守るのは人間自身がさびしいからだ 環境を守るのは人間自身が滅びたくないから』
『人間の心には人間の満足があるだけなんだ でもそれでいいしそれがすべてだと思う』
『人間の物差しを使って人間自身を蔑んでみたって意味がない』
にものすごく納得した。

地球や他の生物に害である「人間」を問いかけ続けながら、
愛や勇気といった人間賛歌的な部分もしっかり表現するバランス感覚がすごい。

作者が伝えたい思いと、物語が完全に一致している素晴らしい作品。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2011年5月18日
読了日 : 2011年1月10日
本棚登録日 : 2011年5月18日

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