上巻はろくでもない予感しかしない上、はなはだ息苦しい展開。ほとんど心が折れながら、先達のレビューを読んでみた。
「話が動き出すまでは苦痛でしかないが、その後は俄然面白くなるので我慢して読み進めてほしい」
我慢してみた。
そのとおりだった。
それにしても前半はつらい。
もう最初っから、いやな空気しか漂っていない。おまけに主人公側が、「ボックス21」で盛大にやらかしたグレーンス&スンドクヴィストである(ヘルマンソンは無実なので除く)。どう目を凝らしてもバッドエンドしか見えなくて、気が進まないなんてもんじゃない。
たぶん、ほとんどの読者がそうなんじゃないだろうか。そこで私も先人に倣い、声を大にして言っておこうと思う。
「どうか、上巻で投げ出してしまわないで。我慢して下巻まで読んで。最後はきっと、面白くなるから!」
救いのかけらのないオチも5作めともなるとさすがにまずいと思ったか、前作までとは趣を変えて曙光の見える終わり方。
とはいえ泣く子も黙る北欧ミステリである。アメリカンな大団円を期待してはいけない。
それでもほっと息をつき、次作も読もうと思わせてくれるラストだった。
2022/1/5~1/15読了
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ミステリ&サスペンス
- 感想投稿日 : 2022年1月18日
- 読了日 : 2022年1月18日
- 本棚登録日 : 2022年1月18日
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