館島 (創元推理文庫) (創元推理文庫 M ひ 4-1)

著者 :
  • 東京創元社 (2008年7月30日発売)
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本棚登録 : 1950
感想 : 214
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ユーモア・ミステリの書き手として知られる著者だが、本作はお笑い部分と本格部分のバランスが絶妙。バカミスになるギリギリ一歩手前で、どうにか踏みとどまっているように思う。
クローズド・サークルの醍醐味たる恐怖と疑心暗鬼こそないが、嵐の孤島に死体とともに閉じ込められた人々の反応がしごく常識的なので、一定のスリルはある。「次は私が殺される…?」と思ってるくせにあんたらなんでそんなに危機感ないんだよ、というような作品がいくらでもある中、これだけ緊張感を演出してくれたらよしとするべきだろう。
ネタに関しては正直そんなに高度なものではないが、ラストは圧巻。天才・十文字和臣の意図が明かされるシーンには爽快さがあった。

2016/7/2〜7/3読了

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: クローズド・サークルっぽい何か
感想投稿日 : 2016年7月3日
読了日 : 2016年7月3日
本棚登録日 : 2016年7月3日

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