復讐の螺旋階段に天井はなく、順番待ちで大渋滞だ。生きるために踏み出した階段への一歩は、戻れない死の順番待ち。ただ時々順番が前後するだけで、生まれた瞬間死に向かう命の終わり方が悲惨なものか、予期しないものか、自分で決めるか。
どう生きるかよりも、死の瞬間をどうくぐり抜けて、そのくぐり抜ける瞬間、もしくは誰かに死の瞬間をもたらすことで、生きることを実感する。
人も動物も罌粟もただそこに存在するだけなのに、誰かの思惑とか思いつきとか機嫌だけで、死のそよ風はあっという間に暴風雨に変わる。嵐の後、何も形を残さず、怨恨だけが次の誰かに受け継がれ、また復讐の螺旋に並ぶ人間を一人増やす。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2013年7月31日
- 読了日 : 2013年7月31日
- 本棚登録日 : 2013年7月28日
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