おしゃれとは自分らしさをみつめて、多くのものから自分に合うものを選び出すこと。時にチャレンジだったり、そのときは手に届かないものでもいつか似合うようになるかもしれない。その時のワードローブは、自分自身なのだ。
「喪失と停滞と浄化」を通して残った彼女の考え方は、ファッションに留まらず生き方としても共感できるものがある。
流行を追い続けるモードと、定番であっても形を時代に合わせて変わっていくベーシック。ファッションを機能性だけでなく、自分らしさの表現として見つめる背筋を伸ばした生き方は、ぶつかってもぶつかってもそこに自立する強さを感じる。
表紙のFOXの傘。雨の降らない室内で閉じられている傘。昔傘を持つものは馬車を持たないものの象徴として誹りを受けていた傘。馬車はなくなり、傘は残る。雨を避ける機能を磨き上げたその存在は、使われない時間でも美しくあるためのデザインを身につけた。オンもオフも気を張る必要は無いが、いつも自分らしくあるために、何を選ぶかはとても重要なことだと思うのだ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ
- 感想投稿日 : 2012年7月1日
- 読了日 : 2012年7月1日
- 本棚登録日 : 2012年7月1日
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