ユニクロvsしまむら

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2009年11月1日発売)
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本棚登録 : 191
感想 : 29
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アパレルのビジネスモデルとして近年取り上げられる2社を比較するようにみせているが、全く仕様が違うため、比較というよりもそれぞれを検証する内容。
たくさん売って、出費を減らす。このどちらに力を入れているかが2社の特徴で、その両方をとれるのがプライベートブランドになる。
ただ、両者ともによく知られた経営者しか見えず、会社を構成している人が見えない。見える必要もないし、大企業はどこもそうなのかもしれないけど、大量生産、大量販売、大量消費になればなるほど、作り手の顔も着ている人の顔もぼんやりとしか見えてこない。
もちろん、他のアパレルも同様のビジネスを展開するのが増えていることは認識しているし、ビジネスととして成功していることは素晴らしいと思うし、提供しているもの、受け入れられていることも否定もしない。
がしかし、世界のいろいろな地域の色とりどりの民族衣装がその風土や積み重ねた歴史から生まれた機能服なのであれば、この2社の作る服は、今の日本を表現する民族衣装のようなものなのだろうと思うと少し寂しい。(現状非日常的になってしまった和服礼賛ではないけど)
たかがファッション、されどファッション。大好きだからこそ作る人、紹介する人、売る人、買う人の顔がわかる、ビジネスとは別にそんな世界が少しでも残って欲しいと強く思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: マーケティング
感想投稿日 : 2012年8月3日
読了日 : 2012年8月3日
本棚登録日 : 2012年8月3日

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