これは名著だ。東大生が片づけを真剣に研究した結果だ。片づけに興味がなくとも一読の価値があると思う。情報量が多く一読では内容をすべて理解して片づけを行うのは難しいと思うが、それだけ親切とも言え、具体的で主張に穴がほぼない。

私は本書の分類によれば秘密基地住人だ。本書の内容を理解し片づけに取り組めば、ミニマリスト本を読んで無理して挫折するよりはずっとマシな片づけができることだろう。しかし、金も時間も無い秘密基地住人には長く遠い道のりだ。良い暮らしに王道はないのだと思う。やはり家族と才能に恵まれた著者が羨ましい。

2024年3月2日

読書状況 読み終わった [2024年3月2日]

私は文学は好きではない(素養がない)が、文章は好きである。三島の小説は基本的に苦手な印象だが評論・随筆は大体好き。小説はねちねちしてまだるっこしく感じる、しかしこれが評論・随筆になると急に親切で明晰になる。まあ後者の方はある程度読者に理解されないと仕方がないからそうならざるを得ない、三島の望んだところかどうかは分からないが、満更でもなかったと思う。彼の十八番という気がするがなあ。三島は教師みたいなものとしてもなかなか魅力のある人だったろう。

この本に出てくる作品の多くは読んでいないけれども、三島の説明には賛同するところが多い。プロだから考えていて当然ではあるがここまで流暢に言語化できたらさぞ気持ちが良いだろう。立て板に水、流れるような舞うような一流のリズムがありながら内容も必要十分。しかもちゃんと最後の「結語」の内容がクライマックスにふさわしい。「文体による現象の克服ということが文章の最後の理想である」…なるほど、そうかもしれない。私はここまでは考えついていなかったと思う。文体による、かは留保をつけたい気がするが、この最後の部分で自分の蒙を少し啓かれたように感じた。私は文章の最高の目標を格調と気品とは思わない(自分はそんなものが分かる身分じゃないので)が、自分のプライドを賭けるもの、とは考える。他に文章読本は読んでいないが、これはこれで傑作だ。谷崎のも読んでみようかと思う。

2023年12月31日

読書状況 読み終わった [2023年12月31日]

金のある家に生まれて父親に愛され才能にも恵まれたとしても、女、というただそれだけのことで尊厳は奪われ男の肥やしにされたり心身を潰されたりしてしまうのだ、という救いのない話。そのような女の影を無視して男どもは男を讃え続ける。厭世が増す。しかし教育機会や選挙権の歴史を考えれば女の人権の歴史はやっと始まったばかりだ。ただ私は女はこれからだと期待をするよりは、人類はさっさと滅びるべきではないかと思ってしまう。人類はこれまでの犠牲を考えればあまりにも学習ができない動物だからである。

私は、私は恵まれない家庭で育ったけれども努力して仕事を持ち家庭を持つのだとずっと頑張ってきたけれど、結局は金も家族も得られずに死ぬことになりそうである。私なんかが納得できる仕事をして愛する家族を持ちたいなんて到底無理な話だったのだなあ…とうんざりする気持ちが深まる。

「自分自身の役割を内省し、男性たちとの関係のなかで自分自身のアイデンティティの獲得のために闘い、自己表現の方法を求め、男性優位のヒエラルキーに基づいた関係を拒否し、パートナーとの「対等」な人生をめざした」当然のことのようだがこれを達成できるのはいまだ奇跡の女である。

2023年9月10日

読書状況 読み終わった [2023年9月10日]

私は恥ずかしながら最近まで存在を知らなかったのだが、ベーベルの『婦人論』は女性問題では古典とされる作品のようである。山川菊栄が訳している。しかし、現在日本では絶版である。フェミニズム関連では、重要な文献が(社会的)絶版となっている場合が多いように感じていて、日本の問題意識の低さにがっかりさせられる。さておき、ベーベルの人となりを知るために図書館で借りて読んだ(この本もおそらく絶版である)。書誌情報をよく見ないで取り寄せたので300ページぐらいの単行本と思っていたら実質100ページに満たない小冊子という感じだった。『婦人論』も読んでみたいと思える内容で、読みやすく分量的にもちょうどよい入門書だと思う。

ベーベルは貧しい家庭に育ち、労働者階級として生活をした人である。そんな彼がなぜ労働者の代表として政治家として花開いたのか、流れがわかりにくいところがあった。日本では労働者を代表するような政党や組織はない(連合がそれに近いのかもしれないが…)のでイメージがしづらいだけかもしれない。日本では労働者階級の支持を得てその利害を代表するような政党がないということに改めて気づいて愕然としてしまう。

ミルと比較するとベーベルは労働者階級らしく、女性労働者の実情について理解があると思う。男性は権利を持ち、女性は義務を負う。性支配は階級支配と同じである、場合によってはなお悪いと。大筋、選挙権など多少進んだ現在でも同じ構造が続いていると思うのでまだ『婦人論』はその役目を終えていない。ただ、女性のリプロダクティブライツや性的自由については、やや空想的というか現在の感覚とはちょっと違うなという感じが否めない。

2020年11月19日

読書状況 読み終わった [2020年11月19日]

自殺を考えている人は読んだ方がいい。まあ生きる方法も死ぬ方法も書いてあるわけじゃないけど、どこかしら安堵する箇所があるはずだ。それで万力の圧力が緩むみたいなことがあるはずだ。

そうなんだよな、もう生産も闘争もしたくねえのよ。それでどうすりゃいいのかは分からないけど、人類の愚鈍は仕方のないことなのだし、とりあえず横になろうか。と思える。だから何だかは分からない。それが良いかとかは知らない。

シオラン文庫になってほしいんだけどな。なんでこんなにマイナー扱いなのか。

2020年10月17日

読書状況 読み終わった [2020年10月17日]

とっつきやすいかと思ったが、先に対談でないものを読んでもよかったかもしれないと思った。ともあれシオランの人となりは何と無くわかった。私にはどうでもいい箇所もたくさんあったが、結構メモをとった。

人生で神秘的なものは自己撞着であるということと、人間は歴史の主体ではなく対象である、というのが一番の学びだったかな。しかし自己撞着するのは女は難しい感じがするんだよなー。結局どう生きようかというビジョンはあまり鮮明にならず。

たくさんの友人の話が出てきたが、多くを負わせてきたはずの伴侶であるシモーヌ・ブエのことは全然話していない。ブエはシオランとは違って社会に適応した優秀な女性だったようだ。誰にも頼らなかったと言うが、彼女には食事も作ってもらっていたし、原稿のタイピングもしてもらっていた。男が「内助の功」を不可視にするのは一体どういうことなのだろう。

2020年10月7日

読書状況 読み終わった [2020年10月7日]

初ヴァージニア・ウルフ。30ページ足らずだが傑作だ。喝采だ。こういう作品を解説ごとさっさと教科書に掲載すれば女性の人権向上は進むだろうに、手を拱いている政府に腹が立つ。こういうギリギリのフィクションも面白いものだなあ。女性が男性の文明的な仕事を観察して世界がどのようであるか感想を述べるという構成、これは数年に一度でも継続的に同様の調査を設けて経過を見てみたいものだと思った。しかしまあ、まだまだこの作品が新鮮ということは、100年経っても女性の発言の力がまだまだ弱いということであり、悔しく暗い気持ちにもなる…

2020年9月15日

読書状況 読み終わった [2020年9月15日]

まず、この本は男性向けに書かれているのに、ぱっと見女性向けエッセイか何かのように感じるので、装丁はミスリードではないか。ちょっとタイトルも内容を的確に表現しているかというと微妙に思う。副題「男たちの「失敗学」入門」がメインタイトルで良かったのではないか。自己啓発本みたいにもっときっぱりと、またジェンダーに危機感を持った書き方にできなかったのか。たしかにそもそも著者の作風は少しそういう感じとは離れているけど。本屋でビジネス本のあたりに一緒に置かれてくれればなあと思う。

男性を理解しようと思って読んだが、なんとも歯切れの悪い文章だった。作風もあろうし、男だからこその話もそこそこあるのかなと感じたけど、基本的にはこれは、単に強者の論理だからだと思った。私的領域での話が多いが、公的領域はもちろん男性優位の社会だし、そのしわ寄せはそのまま私的領域へ、女性という弱者へ押し付けられているから出てくる構造の問題なんじゃないか。分からなくていい、知らなくていい特権階級の男性が弱者にならない限りは、気づかなくても良い、改善しなくても良い部分が多い。だから、改善したいと思っている人にはいいけれど、俺は困らないからいい、という人には効果がない感じなのが歯痒い。

私は究極的には万人を尊重できる人間・社会が万人にとって生きやすい社会だと考えるし、関心のない層にどう訴求していくか、プレッシャーをかけるかはまだ時間のかかる問題であることは仕方がないかと思うけど。まとめると、度々参考文献が紹介されていたり専門家との対談が設けられているし、視点は新しいと思うので、男女関係なく対人関係について学びはあるのではないか。しかしまあつくづく、男は「気づく」だけでもすごく評価され珍重されるわけで、実にイージーモード!

2020年9月15日

読書状況 読み終わった [2020年9月15日]

弱冠20歳にして夫と共にバウハウスへ留学した著者の回顧録。内容はバウハウスの学生生活についての貴重な証言ではある。その点で4.0。

が、超大金持ちの家に生まれ、父親に甘やかされて贅沢に暮らしてきたお嬢様ぶりが途方もなく、クラクラする。女は金持ちの父親に甘やかされて育つことが何よりの幸せというか幸運だと思う。バウハウスを含めた何不自由ない贅沢な暮らしは本人の希望、努力、意志の賜物ではなく生まれたらそこにあったものなのだ。そして対偶もまた然りだろう。人生とはそういう残酷なものなのだと改めて思った。

2020年9月11日

読書状況 読み終わった [2020年9月11日]

最初は借りて読んでいたがあまりにマーキングしたい重要な箇所が多すぎたので、買って読むことにした。題名は良いタイトルだと感心していたが、大沢真理が別件で書いた解説のタイトルから借りたらしい。上野千鶴子ほどの人でもそうやって人から借りたりするのだ。というか、それが女性の連帯のあり方でもあるのかもしれない。

「時局発言」が収められたものなので読みやすいだろうと思っていたが、約30年間という時間のせいか、上野千鶴子の歩んできたパイオニア性がそうさせるのか、非常に読み応えがあり、難しくはないが読了までには思ったより時間がかかった。

どれを読んでも鮮やかで、新たに学ぶこともあるし、改めての認識でも味わい深いものがある。多くの女性の途方もない努力の上に、今日の女性の状況があることが伝わってくる。

しかし、なんだかんだ言ってこのように発言して戦ってこれたのは、裕福な家庭に生まれ、父親に愛され、兄弟から学び、才能があって、というバックグラウンドあってのことで、生活のために働くということをしなくて良いという状況のなせるわざだ。上野千鶴子はそれを自覚してそのように書いてもいるだけマシだが。

「ほんとは、あなたとわたしの間柄で、そのあいだがらがラクになりたいのに、そのための道のりが長すぎる」わたしがフェミニズムを学ぶ動機もここにある。生活のこともやりくりしながらの身では、今生で届くような気がしないが。

2020年9月1日

読書状況 読み終わった [2020年9月1日]

良い事業良い話だとは思うんだが、学びたい知りたいのは金と家族を得てから手前がどうしたかではなくて、どうすれば自由になる金と味方になる家族を得られるかなんだよね。シンデレラがどんなに幸せに暮らしたかではなくて、どうすればどんな人もシンデレラになれるか?ということ。

日本では金と家族がすべてだ。それがあっても課題は山ほど降る。女は若いうちに金出してくれる男(父親も可)に気に入られ気に入ることが何よりも大事。学歴とかやる気とか才能とか全然問題じゃない。

でも女を応援できるほど金と教養のある男は1割もいないしそんな男を捕まえる才覚も私にはない。男女平等と言ったところで現実は全然そうではないから、そうではない場合の生き方が身についていたほうが、保守的な家で大切にされて育ったほうが何があっても生きやすいだろう。それすら選べることではないが。

2020年8月31日

読書状況 読み終わった [2020年8月31日]

女性の権利の歴史がよくまとまっていると思う。中学校で全員が読む本にならないかなと思う。やはり北欧は進んでいるんだな。とても羨ましい。こういう歴史だったら興味を持って学べたと思う。歴史ってどうも面白いと思えなかったんだけど、ほぼ男の自慢話って感じの歴史がクソつまらんのは当たり前だと思う。アンクル・トムの小屋って女性が書いてたんだなあ。それなのに女性参政権がなかったとか愚弄しすぎだろ。あとこういう本の絵を描けるチャンスに恵まれるにはやっぱいい芸大出てるのがいいんだろうねえ…

2020年8月11日

読書状況 読み終わった [2020年8月11日]

坂東眞理子は保守思想の小母さんだと思っていたので今まで読む気がしなかったが、最近上野千鶴子をわりと読んでいるので、その対談ということで読んでみても良いかもしれないと思った。果たして、坂東眞理子は特別に保守というわけではなく、単にノンポリなんだなあと思った。あんまり何かを切実に考えてくる必要がなく生きてこれたのだろう。まあ、ノンポリで、今の社会にウケるようなことを言えば、大概私には保守に見える。

タイトルのような内容ではなかった。といって何というタイトルにするかと問われると悩む。2人の人生についての雑談。若い人に向けて、これを参考に中年以降も頑張ってくれ、という意味なのかもしれない。あとがきで上野千鶴子も自分たちの経験と楽天性を参考にがんばれと書いてるんだけど、まあ、両者のように恵まれて生まれて育つことができれば、人生面白いだろう。女でも恵まれて生まれてくれば、何とか充実した人生が可能なのだなと。そんなことはわかりきったことだが、まあ、より具体的にしみてきた。私にはこんなようなことは無理だったし、これからも無理だろう。なるほどと思ったことはいくつもあったが、励まされるのではなくやはり女が生きるのは困難なのだなということ。私風情が前向きになれるような受け取り方は捻り出せていない。

「「男は仕事だ」というのは裏返せば、男にとっては家庭も家族もたいしたことではないというメッセージなんですよ(P90、坂東)」が一番痛快な表現だった。

2020年8月1日

読書状況 読み終わった [2020年8月1日]

星は3.5くらい。

‪何度か立ち読みして気になっていたので買ってみた。読後感は『いやな気分よ、さようなら』よりはマシ(押し付けがましくなく、派手で極端なことを言わない)。『ずっとやりたかったことを、やりなさい』に心理学的知見をプラスした感じかなぁ。

マイナスをゼロにするのを目標とするのではなく、さらにプラスへというアプローチは、まさに私が求めているものなのだが、書いてあることでやってきたこともたくさんあるし、そこから挫折して一段階悪くなってる感じなので、一読では希望は持ててない。まあ本一冊読んで人生観がガラッと変わるなんてことはないから気長に…というスタンスは良いと思う。

しかし自分の幸福感は40%自分でコントロールできる(感覚を持てる)というのは全く信じられない。良くて20%くらいなものだろうと思う。私は何か大きな思い違いをしているのだろうか。

また、自分のせいだろうがそうでなかろうが不利益は不利益であって、原因の出所をどこに求めようが、問題に対処しなければならないコストは変わらないと思う。個人的なことは政治的なこと。メンタルの話でここを区別する意味がわからないんだよなー。‬

2020年7月29日

読書状況 読み終わった [2020年7月29日]

 疲れていたので読みやすい本を求めてつい読んでしまった。この本を読むまでは未婚で非モテですって顔で若干社会派なことも言っているのかな?程度の印象しかなかった。

 しかし読んでみて、「これでもいいのだ」?喧嘩売ってんのか?それどころじゃない。『これがいいのだ』『どうだいいだろ?』というような内容だった。

 ネットでググった経歴と本書の内容を総合するに、東京都文京区に生まれ育ち、カトリック系の女子高に行く。高校の頃には母親がヨーロッパ旅行へ連れて行ってくれた。その後フェリス女学院大学へ進学し、アメリカへの留学も経験した。新卒でレコード会社へ就職。会社員を10年ほどやった後(30代半ば)、文京区の実家でニート。海外旅行したり浪費生活を送る。2013年(40歳ごろ)に作家としてブレイク。現在、文筆業などをしてパートナー(家事担当)と共に暮らす。友達も多い。当面の金に不自由していない。

 多くの人からしたら何の苦労も無いやないか。で、なんでそれで非モテ未婚代表みたいな顔をして見せているのだろうか。マスコミにもてはやされるコラムニストみたいなものは結局そういうものなんだろうか。

 まったくいいところがないわけじゃない、申し訳程度の社会派の内容も、今のマジョリティからすればマシな方かもしれない。だがこんな文章だったら私にも全然書ける。いや、恥ずかしくて出せないけど、それで食えるなら、出してしまうかもしれない、という程度の文章だ。

 こんな本をこんなに大仰な単行本で出さないでほしいと思う。こんなのは本当は本を読んだといううちに入らない。こんな文章に厚い紙使ってちゃしょうがないよ。と言うのは野暮なのだろうが。

 バブル時代に青春を送って遊びまくった人を羨ましがる描写があったけど、ほとんどの女性にとってはアンタも十分羨望の対象だと思う。不特定多数の人間に向かって物を書くのであれば、どうか、それを踏まえて話をしてくれないだろうか。

2020年7月4日

読書状況 読み終わった [2020年7月4日]

表紙に書いてある通り「女性解放のバイブル」と言える本。本文中ではやはり古いと感じるところもあるが、基本的には今も繰り返して読まれるべき内容である。成人して働く前までに全員が読んでいて、この価値観を前提として暮らせたらどんなにいいだろう。

150年前に発表され、100年前に日本語訳されているのに、日本の社会構造はここに書いてあることを何も分かっていない、存在を知らないかのようだ。あまつさえ、2019年にリクエストで復刊するまでしばらく絶版だったのである(リクエストなので、岩波でも重要な書籍とは認識していなかったのかと悲しくなる)。これだけでも日本での女性の人権の肩身の狭さが分かるというものだ。フィンランドあたりなら、このような歴史を踏まえて社会は進歩してきたのだなと思うこともできるが…。

解説に、これから女性は頑張ってもらいたいなどと書かれているんだが、いや、努力が必要なのは男だろという怒りを禁じ得ない。女はもうずっと努力してきた。女を抑圧することで男がどれだけ楽をして馬鹿でいられるか、政治を見ても家庭を見てもあきらかである。

あと、そんなにテイラー夫人から影響を受けたのであれば、共著にすべきだろうと思った。世の中には男の名前が多すぎる。実際に女に負っていることの多さはもっと認識されるべきじゃないか。

ともあれ、200ページに満たない分量で、予備知識がなくても中心的な主張は十分に分かるので、広く読まれて欲しい。

2020年5月21日

読書状況 読み終わった [2020年5月21日]

前から岡潔に関心があり、読みやすそうなので買ってみた。

なんとなく全部音読したら最後に茂木健一郎も音読していて少し驚いた。これは音読させられる対話なのだ。しかしそんなに声に出して気持ちが良い類のものでもなかった。音がすぐれた文章は他にある。しかし内容はすぐれていると思う。科学が成立するには感情の満足が必要であること、自然科学は建設はできず破壊しかできないこと、プラトンの読みやすさ、素読の価値、等等、我が意を得たりだったり納得したり楽しめた。ただ神風のくだりはすべてには首肯しかねる。

小林秀雄は徳利の友達の話をしている時が一番良かった。感情が伴うということは大切なことだと納得できた。

一番良いなあと思った文句は「すべて悪いことができあがるのがあまりに早すぎる」。

2019年9月21日

読書状況 読み終わった [2019年9月21日]

サインを入れてもらえるので、イマジネーションのホームページから注文した。届くと、紙が挟まっていた。それを読むと、表紙の絵は奈良美智によるものなのだが、それがよく描けていることが腑に落ちた。さすがだと思った。そのままではこうはならないのだやっぱり。

ファンだから買ったようなもんだが、こんな私でも少しほっとするような文がチラチラあって、どうして豊田利晃が映画監督になれたのかが分かるような話もあって、良いものだった。少し五味太郎の『ときどきの少年』に通ずるものがある。折にふれ読み返すような気がする。

2019年9月21日

読書状況 読み終わった [2019年9月21日]

タイミングが重なり入手。スチール集。掲載作品10本のうち半分の5本見ている。巻末にそれぞれの作品のエピソードが一言ずつ掲載されている。映画監督というか、豊田利晃、羨ましいなあと思う。好きなことをやって生きている。考えていることもだいたい共感できる。私はどうしてそのようにやれていないのだろうと、歯痒く、悔しく、苛立つ気持ちになる。私はどうすればいいのかずーっとわからない。そっちが正しいのは分かっているのに。

2019年8月25日

読書状況 読み終わった [2019年8月25日]

終戦記念日に読むべき本を探していて辿り着いた。久しぶりに新しい知識を得られるまともな日本語を読んで面白かった。やはり大きな国家というものはろくでもないし、グローバル化に恩恵などないし、ノーベル賞はしょうもないものなのだ。それでもそれは大きく個別な意図があるのではなく、確かに自然の止められない流れのようにも見える。私ももうこの流れを止めるのには戦争しかないのではないか、と思うこともある。でも人権教育に希望を見出すしかないよねえ。分かるけど。とにかく私にはしかし、祭が足りないのだと思った。

2019年8月22日

読書状況 読み終わった [2019年8月22日]

結局、愛されてきて(人間が好きで)、金を稼ぐことに抵抗がない(金に不自由なく育ってきた)人が人生何もかもやりやすいんだよね。逆の生まれ育ちの私は、「無理なく」とか「ゆる起業」とか書いてるけど、やっぱり大変そうだなぁ…というイメージ。

ほとんどの例が自分以外に経済基盤がある「ママ」で、お金に余裕があるわけではない独身女性が働きながら…っていうイメージがゼロなので気をつけてほしい。でも本当になるべく好きなことをやって生きていかないと、未来もどんどん望まない方向になっていくなあ…と感じるので、早く今の仕事をやめたい、と苦しくなった。

あと巻末のスペシャル特典は本文にも一部書いてあるし、全くスペシャルではなく、単に著者のサイトへ誘導するためだけのもののように感じた。

金、数字だけでは満足できない女が食っていくって大変だなーと思う、本当に。女は男よりも資源がないと生きていけない。でも基本的に男尊女卑だから、最初から資源のあるところに生まれないと、そこからの挽回は難しい。という理解は変わらない。

まあ、女性が女性の特徴を生かして無理を少なく商売していくときに大切なこと、については学べることがあると思う。

2019年8月13日

読書状況 読み終わった [2019年8月13日]

ツイッターでめっちゃ絵がうまいなと気になってた方。漫画は滅多に買わないが、最近普通の本が読めないので漫画を買ってしまうことがある。さておき、面白かった。涙が出てきたりもした。私もこんな絵が描きたい。そんな気力がない。時間もない。何もないように感じる。

二階堂の笑顔が、さすがはジャニーズJr.だなっていう感じで良い。

でも林くんもめちゃめちゃイケメンだよね。

私は江間くんが一番好き。

2019年8月10日

読書状況 読み終わった [2019年8月10日]

これ子供が生まれたすべての父親に配ったらいいのになあと思った。なかなか思ってても言えなさそうだし。著者は2丁拳銃修士の奥さん。放送作家とは知らなかった。一番がっかりしたのは小堀が子供4人いるのに何にも家事育児はおろか自分のことも自分でやってなかったこと。4人もいるんだから結構やってるもんだと…。長男にも呆れられているらしいが。奥さん、それでよく4人も妊娠出産したなあ…よくそんなにセックスさせたなあ…とたまげた。対照的に庄司が育児をちゃんとやっていて、やっぱり惚れた女だと頑張れるのかな…と思ったり。

2019年8月3日

読書状況 読み終わった [2019年8月3日]

この本読んだとしても恋で泣くだろうし、恋の前にこの本読むことで泣かされると思う。為になることも書いてあると思うんだけど、この人の本はいつも愛がないなーと思う。私のような恋愛が下手な人は、これ読んで、頑張ろう!ってならないんじゃないかな。もうちょっと言い方あるだろ。。なんか自分の考えに絶対的な自信を持っていてうまくいかなければお前が悪いって感じなのも、なんだかな…と思う。まあ、こんな人もいるんだ、というのには悪くないと思うし、荒療治が好きな人にはいいのかな。。私はこれ100%真に受けたら病んでしまう。

2019年7月28日

読書状況 読み終わった [2019年7月28日]
ツイートする