完全版 社会人大学人見知り学部 卒業見込 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー (2015年12月25日発売)
4.13
  • (934)
  • (1007)
  • (462)
  • (57)
  • (10)
本棚登録 : 11751
感想 : 943
5

日テレドラマ「だが、情熱はある」にどハマり。
髙橋海人くんの演技が素晴らしすぎて、毎回エンディングが流れてやっと現実に戻されてお芝居だという事実に鳥肌が立つ。笑
ドラマを観つつこのエッセイを読むと、どれだけ忠実に再現されているかが明白になってより一層面白いです。

若林さんの感性でしか書けないエッセイ。
今まで読んだことのない唯一無二のタイプ。
けれど共感して、感動できる部分が沢山あるから凄いんだ。


「そんなことに注意しながら生きてたら、近頃よくわかんなくなってきた。今、楽しいのか?
目の前の人が言う意見に賛成なのか?反対なのか?」
私も社会人になって、社会の渦に巻き込まれて、社会に馴染もうとして自分の足りない部分をニセモノの固定観念で埋めたり、突出した個性を削ぎ落として“万人に受ける丁度いい人間”になろうとして、自分がどんな人間で何を好きで嫌いなのかが分からなくなった時期を思い出した。
きっと私だけじゃなくて、みんな同じように同じことでもがくんだろうな、と安心した。

「“確かじゃない”日常を過ごしながらも“確か”なものに死ぬまでに数多く出会いたいものである」
そうかー。“確かじゃない”日常で良いんだ。そこに“確かなもの”を無理くり探さなくて良いんだ。若林さんの出した結論に救われた自分がいた。


「でも、今はマラソンなんだ。マラソンにペース配分は必要不可欠だ。百メートルずつの結果に、全力で反芻していたらトータルで良いタイムがでないんだよ」
出会いたかった文章に出会えた。
職場復帰したら、反芻しよう。
これを書いた紙を社員証に挟んでおこうかな?笑



「楽しむってどうやるんだろう?コントローラーの操作方法を覚えていないんだから当然だ。
ゲームの操作を覚える途中でやめてしまうようなものだ」


「高級料理がとても美味しくて、こんなもの食えなくたってどうってことなくて。仕事が楽しくて、めんどくさくて。高い車の乗り心地がよくて、ただの鉄の塊で。とても幸せで、こんな筈じゃなくて。
想いはひとつじゃなくていいんだ」


「天才は「結果が全てだ」と言えばいい。自分にはそれは関係のないものなのだ。特にすごい訳じゃなく、特にダメじゃない。そんな自分の自己ベストを更新し続けていれば、「結果」があとからやってこようがこなかろうがいいじゃないか」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年6月24日
読了日 : 2023年6月24日
本棚登録日 : 2023年5月31日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする