分厚い。専門書でもないのだが、素人向け精神科エッセイにしてはやたら詳しい、中間くらいの本。
引き出しの多い人で、精神医学を中心に数学、文学、翻訳、などこの世の全てを蒐めて自分の仕事に関連付けているような所もある。
慎重で患者に対してある種の慎ましさがある。
一方で河合隼雄ならグルーブで乗り切る様な勢い(ややオカルティックな人間力というか)があるのだが、中井久夫は事細かな要素を一つ一つ丁寧に当てはめて、ミスがない様に気を配ると言った感じ。短いセンテンスの言い切りには冷たさを感じないでもないが、それは慎重さと誠実さなのだろう。
色んな話をしているので、ちょっとネタ欲しさにというくらいでも読んでも良いと思う。
本自体はとても慎重で誠実な本だと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2024年4月19日
- 読了日 : 2024年4月19日
- 本棚登録日 : 2024年4月19日
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