冥途の旅はなぜ四十九日なのか (青春新書INTELLIGENCE) (青春新書INTELLIGENCE 235)

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  • 青春出版社 (2009年5月2日発売)
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タイトルを見て(なぜだろう?)と思って読みました。
四十九日だけでなく、仏教界における数字の解説がなされています。

まず採り上げられたのが、信長の好んだ『敦盛』の「人生五十年」のくだり。
これは仏教観の中での話で、50yearsではないそうです。

当時の戦国時代の平均寿命は16歳で、五歳まで生きるのも大変なことだったとのこと。
その頃は理解できますが、大正時代まで、10歳までに25%が死亡し、大正時代でも平均寿命は40歳代だったと知って驚きました。
日本の平均寿命が50歳を超えたのは第二次世界大戦以降。
劇的に寿命が延びたことになります。

つい現代と同じ感覚で過去に思いを馳せがちですが、すべての生活習慣が変わったことを踏まえて歴史を顧みることが必要だと感じます。

日本では忌み数字である「九」は本来縁起のいい数字なのだというのは、意外でした。
二つに割れない奇数は吉であり、その中で最も大きな数字だからだそう。
重陽の節句が9/9なのも、意味があるのだと知ります。

仏教で用いられる数には、自然数の二乗数が多いという意見も新鮮でした。
四天王の4、九品仏の9、十六羅漢の16、二十五菩薩の25、不動明王三十六童子の36、四十九日の49、六十四転大劫(だいこう)の64、一会金剛界八十一尊曼荼羅の81。
確かにその通りです。
その理由は、精神的に落ち着くという作用を考慮したというところが大きいとのこと。

五芒星は清明桔梗であり、ソロモンの星。
また六芒星はダビデの星とされます。この辺りは自分の知識が足りないと思います。
興味が持てる内容だったので、類似本があったらさらに読んでみたいと思いました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 宗教全般
感想投稿日 : 2013年5月30日
読了日 : 2013年5月30日
本棚登録日 : 2013年5月30日

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