6月19日の花嫁 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1997年1月29日発売)
3.08
  • (20)
  • (69)
  • (263)
  • (49)
  • (14)
本棚登録 : 1003
感想 : 93
3

乃南アサさんの小説には、人間のどうしようもない部分が隠すことなく書かれています。
主人公は記憶喪失となり思い出を失いますが、過去ほどあやふやなものはないと改めて気づかされました。
記憶はないけれども、肌で誰かの温かいぬくもりを感じ、どこかに自分について話したい人がいる。記憶を失い、思い出を忘れ去ったとしても、自身を形成している断片は、現在の自分自身で証明されるということなのかなと思います。
何より、大切な人が信じて待ってくれている、それだけで女性は強くなれる気がします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年6月14日
読了日 : 2018年6月14日
本棚登録日 : 2018年6月14日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする