乃南アサさんの小説には、人間のどうしようもない部分が隠すことなく書かれています。
主人公は記憶喪失となり思い出を失いますが、過去ほどあやふやなものはないと改めて気づかされました。
記憶はないけれども、肌で誰かの温かいぬくもりを感じ、どこかに自分について話したい人がいる。記憶を失い、思い出を忘れ去ったとしても、自身を形成している断片は、現在の自分自身で証明されるということなのかなと思います。
何より、大切な人が信じて待ってくれている、それだけで女性は強くなれる気がします。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年6月14日
- 読了日 : 2018年6月14日
- 本棚登録日 : 2018年6月14日
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