ペガサス書房吉祥寺店で働く理子は店長に昇任するが、実は本社ではその店舗の閉店をすでに決めていて、繋ぎの店長にされたに過ぎなかった。
そんな中で、女性の正社員、亜紀やバイトのスタッフたちの協力のもと、閉店を回避するために新たな企画など様々な取り組みで売上げ増を実現するが、結局本社の決定は覆ることなく、閉店が決まり、理子も亜紀も辞表を出す。
本を愛する書店員の話かと思って読み始めたら、前半は女性スタッフの間でのいじめに近いドロドロした話が続き、うんざりしかけたが、途中、理子が女性の出世を望まない本社や同じ店舗の男性社員からの嫌がらせにも屈せず、店長としてやれることをやると覚悟を決めた辺りから、同じ女性として、男性社会の中で奮闘する二人を応援したくなってきた。
そして、店長就任時には、店舗内のスタッフからの信頼も薄く、むしろ反感すら持たれていた理子が、最後はみんなに感謝され、慰労されたことに少し救われた気がした。
書店は本を売るところ、ある意味、人々に夢や希望を与えてくれるところだと思っていたのに、現実はこんなにドロドロしているのかとガッカリすると同時に、女性社員に対する露骨な偏見、嫉妬があるこういう会社は時代錯誤だと思ったが、現実にはまだまだたくさんあるのかもしれない。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年7月11日
- 読了日 : 2021年7月11日
- 本棚登録日 : 2021年7月11日
みんなの感想をみる