曾祖母、菊の家で暮らす流星と、毎夏やって来る父のいとこ、リリーとの成長を描いた物語。
愛犬、海を火事で亡くしたときの悲しみと喪失感、好きなのに縮まらないリリーとの距離感にイラつき、周りとギクシャクしていた流星の気持ちは少しわかる気がした。
そして、色んな苦労を乗り越え、大事な人を大勢見送り、質素に暮らしつつ、大切なものを守りながら丁寧に生きてきた菊さん。
少し複雑な家庭に育ちながらも、リリーが優しくて強い女性に成長したのは菊さんによるところも大きいと思った。
菊さんが亡くなったシーンと、初盆で菊さんや海が帰ってきたシーンは号泣。命の繋がりを感じるラスト。
小川糸さんの小説は、毎度じんわり効いてくる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年12月1日
- 読了日 : 2021年11月29日
- 本棚登録日 : 2021年11月30日
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