スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

著者 :
  • ダイヤモンド社 (2007年9月14日発売)
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同じ商品の値段の違いを「取引コスト」という概念で説明している。
それ自体に真新しさは無かったが、経済格差が所得格差でなく「資産格差」にある、という考え方は初めて読んだので興味深かった。
所得の高い人には2種類いて、「能力が高いので長時間働き高級を得る人」こちらは何も問題はないが「能力ではなく地位・役職(資産)で高級を得る人」が問題としている。天下り政治家、役員、公務員などを例に挙げている。

そして「自分がどの分野において比較優位にあるのかを知ることが大事」とも述べている。
それには自分の能力を客観的に把握する必要がある。
能力が高く自己評価も高い「スター」と、能力が高いが自己評価の低い「器用貧乏」・能力は低いが自己評価も低い「縁の下の力持ち」との間では、比較優位が成り立つ。
なので組織の中で自分の居場所を見つけることは可能である。
問題なのは能力が低いのに自己評価が高い人、である。
この人は誰とも比較優位の関係を結べないので邪魔である。
最近この自意識過剰タイプが増えているらしい。
そうならないためにも、きちんとした自己分析、自分には何ができるのか・その集団の中ではどこで比較優位に立てるのかをきちんと把握し、論理的に相手にそのことを説明できる力が求められる。
このような基本的なことが出来る人の方が、長期的には実は仕事ができるタイプである。

何事も基本をおろそかにしてはいけない

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2011年12月31日
読了日 : 2011年12月31日
本棚登録日 : 2011年12月29日

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