連作短編集です。
主人公はお茶が趣味の宇佐見博士です。
絵画の世界の中に迷い込んでしまったり、お茶を飲んでいたら400年の時を遡って、とある男の精神と同化してしまったりとファンタジー要素が入っています。
ですが、推理部分が無茶苦茶な訳ではありません。
しっかりとした本格ミステリです。
お茶を飲みながら話を聞くだけで真相を看破してしまう宇佐美博士は凄いと思います。
私が気に入った作品は宇佐美博士がエッシャーの描き出した超現実的な建築物が存在する世界へ迷い込んだ「エッシャー世界(ワールド)」とシュレーディンガーの猫をモチーフにした作品「シュレーディンガーDOOR」とロシモアが持参した作中作の中で宇佐見博士が持ち込まれたミステリの謎解きに挑んでいるという三重構造の作品「見えない人、宇佐見風」です。
この見えない人の作中作の謎はさほどでもありませんが、思わぬ仕掛けがとてもユニークです。
私は作中作のトリックよりも思わぬ仕掛けの方が気に入りました。
それにしても、ラストの宇佐美博士は大丈夫なのでしょうか。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2009年11月22日
- 読了日 : 2009年11月15日
- 本棚登録日 : 2009年11月15日
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