匠道――イチローのグラブ、松井のバットを創る職人たち

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  • 講談社 (2009年5月29日発売)
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バット作り名人・久保田五十一
グラブ作り名人・坪田信義
それぞれの後継者の名和さん、岸本さんたちの「極」を求めた職人魂。

プロ入り後、一貫して同じ形状のバットで高みを目指すイチロー。
常に形状・重さを微調整しながら進化を求め続ける松井。
彼らの打撃論の違いと野球哲学。
0.2ミリの誤差に気づきクレームをつけた落合とバース、その0.2ミリをこだわる理由。
通常バット用には使われない木目の大きなホワイトアッシュでの作成を依頼したピート・ローズの驚愕の打撃技術。


球種がバレるのも厭わず、遊撃手用の小さなグローブをつけマウンドに立っていた星野の心意気。
その意思を受け継いだ牛島と市販された牛島モデルのグローブを使っていたイチロー少年。
そこから始まる名人坪田とイチローの縁。
坪田の後継者が作った60個ものグラブを練習用としての使用も拒絶したイチローの究極を求める姿勢と後継者への篤い思いやり・・・

「匠道」深いです、深すぎ。
野球好きの人は間違いなくしびれます。
そして、久保田さん、坪田さんの人柄が素晴らしいです、まさに人格者です。

「雑な仕事はいけません。“ていねいさ”をずっと継続していく。それは自分の意識しかありません。
仕事の誇りや使命感、責任感とも無縁ではありません」
ついつい忘れがちなので、しっかり胸に刻んでおきます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 体育
感想投稿日 : 2013年5月3日
読了日 : -
本棚登録日 : 2009年5月3日

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