痴人の愛 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1947年11月12日発売)
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本棚登録 : 9281
感想 : 1006
5

とんでもねぇもんを読んでしまったな...
これが一番の感想です。笑

田舎出身の生真面目なサラリーマンが、カフェの女給の少女を自分の理想の女に育てるべく引き取る。
その女は天性も相まって魔性に育ち、男が群がる...

と、なんとなくストーリーは想像通り。
よくあるドロドロ漫画でも同じような展開はある。でもこれは私小説として生真面目なサラリーマン、その彼自身が自嘲も込めて語る体裁をとっているため
一緒になって舞い上がり、落ち込み、
一緒に堕落し、憤り、失恋するといった具合に
感情のジェットコースターを伴走する感じ。

おい主人公!しっかりしろ!!!
と何度も言いたくなるけど、これがマゾヒズム文学の金字塔です、と言われれば納得...

先の展開は読めているのに読む手が止められず
久々にワクワクしながら読了しました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年6月8日
読了日 : 2022年6月8日
本棚登録日 : 2022年6月8日

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