マルドゥック・スクランブル The 1st Compression─圧縮 〔完全版〕 (ハヤカワ文庫JA)
- 早川書房 (2010年10月8日発売)
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感想 : 24件
初マルドゥック&初冲方先生作品。
主人公の少女が自分を買い取った男に殺されかけるシーンから始まる本作。瀕死の所を救われ、過去に軍が開発した技術で体を再生した少女は、自分を殺そうとした男を法で裁くため緊急法令『マルドゥック・スクランブル』に協力することになる。
世界観としてはCyberpunk 2077やSaints Rowシリーズなどに近く、貧富の差が激しくドラッグと暴力が溢れる街で、誰もが成り上がりを夢見て暮らしている。主人公はその底辺に近い位置にいたため、暴力表現が苦手な方は目を覆うようなシーンが多いだろう。
あらすじや世界観からお分かりいただけるように、舞台もストーリーもそう珍しくはない。だが読者を引きこみ、ページを繰る手を休ませない圧倒的な文章はそうそうないだろう。
また『完全版』とあるようにこの本は大幅な改訂が入っており、描写不足を感じることはまずない。「そこで!?」と思わず叫びたくなるようなシーンで終わるのも、改訂して三分割(全3巻)したせいではないかと思われる。
先に挙げた作品を楽しまれた方にはお薦めできる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF
- 感想投稿日 : 2024年1月16日
- 読了日 : 2024年1月16日
- 本棚登録日 : 2024年1月15日
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