人間椅子 江戸川乱歩ベストセレクション(1) (角川ホラー文庫 え 1-1 江戸川乱歩ベストセレクション 1)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング (2008年5月24日発売)
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叙情的ホラーの短編集。
端的に言えば“狂ってる”人がたくさん出てくるし、よくよく考えてみれば有り得ない話ばかりなのに、どうしてか納得してしまうのは、その心情がなんとなく理解できてしまうせいなのか。
実際…自分のことは“まとも”だと思い込んでいるけれど、他人から見たらそうじゃないのかもしれないし、私自身この人ぶっ飛んでるなー何か境目にいるような人だな、と思うような人と知り合ったこともあるから、人間はどんなきっかけで一線を超えるかなんてわからないと思う。

想いが哀しい。そういう物語が多い。
奇妙な悲恋だったり、現実的に交わらない想いだったり。
最初は唯の恋、であったものが、偏って偏って哀しい結末を迎える様は、私も目にしたことがある。

表題作のほか、「断崖」「鏡地獄」「押絵と旅する男」が好き。でも全部おもしろかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2015年1月12日
読了日 : 2015年1月12日
本棚登録日 : 2015年1月12日

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