聯愁殺 (中公文庫 に 18-1)

著者 :
  • 中央公論新社 (2010年9月22日発売)
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本棚登録 : 893
感想 : 145
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日経文芸文庫のマストリード国内100にて推薦されていた1冊。
選者の千街晶之氏によれば、西澤保彦作品からどれを選ぶかは迷ったようである。自分も過去に何作か読了しており、作者の作風、特徴的なものはなんとなく理解できていたかな?まぁここは自分に甘く採点しておこう。

過去の事件を様々な人々が推理していく、毒チョコ事件的展開で物語が進む。事件の発端を描く導入部を除けば、ほとんどが一夜の出来事である。トリッキーな作品を多く生み出してきた西澤氏であるが、またもやトリッキーな作品だった。

千街氏の紹介にもあったが、「そして肝心の真相だけれども、正確に言い当てられる読者はまずいないだろう」ホントにそう思う真相だった。

読了後に考察してみるに、WHY?が常に突きつけられる。どうして被害者の女性(ヒロイン)は殺されかけたのか?連続殺人のミッシングリンクはあるのか?動機は?いくつもの「なぜ?」が登場し、解決しようとすると次の「なぜ?」がまた現れる。それが読者を落とし入れる罠(トラップ)だったんだよな…まぁとにかく作者の手腕技量に降参するしかないようだ。

こういう作風ではまずハズレなしの職人さんですね。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 西澤 保彦
感想投稿日 : 2014年4月14日
本棚登録日 : 2014年3月27日

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