最後の相場師と称された是銀が九十三歳で記した唯一の自伝。「自伝波乱を生きる」を改題。
うーん面白い。著者は兵庫県に生まれ高等小学校卒業後、貿易商に奉公する。奉公先の倒産を機に中国に渡り軍の御用商人として起業する。無一文で帰国後、鉄鋼業を起こし関東大震災で儲けるものの大恐慌で倒産する。その後の困窮時代に図書館に通い独学で経済を勉強し株の世界へ。元手を作り朝鮮に渡り鉱山開発と製鉄所を設立する。
戦後、財産を没収され帰国し農業を研究。その後、株式市場にカムバックして相場師として名を馳せる。このような波乱万丈、七転び八起きの人生がおもしろくない訳がない。
自伝を読むと、ものすごいエネルギーの塊であることがわかる。しかも物凄い勉強家である。本書を読むと知識の裏付けがあって投資している事がわかる。
著者は言う。株は自分の持てる資金の範囲内で投資(信用取引は絶対しない)し新聞や雑誌の大見出しに飛び付くなと。素人トレイダー必見の一冊と言える。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年8月2日
- 読了日 : 2013年7月15日
- 本棚登録日 : 2013年6月29日
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