将軍と側近 (新潮新書)

著者 :
  • 新潮社 (2014年12月17日発売)
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感想 : 7
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権力は誰のものか。一人の儒学者の目を通すことで、江戸の政治が生き生きとよみがえる。本書の目的は、幕府の儒学者という比較的将軍に近い位置で幕府政治を見つめてきた「室鳩巣」という一人の人物の目を通して、政治家たちの人間模様を見ていくことにある。(2014年刊)
・プロローグ
・第一部 徳川家宣・家継の巻
 第一章 理想論者・徳川家宣
 第二章 幼少将軍徳川家継
 第三章 儒者たちの闘いー新井白石と林信篤
 第四章 老中と間部詮房
・第二部 徳川吉宗の巻
 第一章 「八代将軍吉宗」の誕生
 第二章 前代からの老中と吉宗側近
 第三章 吉宗が信頼した家臣・吉宗が疎んだ家臣
 第四章 吉宗が目指した幕府財政立て直し
・あとがき

面白い本である。室鳩巣の弟子が残した史料「兼山秘策」をもとに、幕府の権力構造に迫っている。新書ながら充実しているとも言えるし、新書の限界を露呈しているとも言えるが、読みやすく、取っ付き易い内容である。
室鳩巣の名前は知っていたものの、どういう人かは知らなかったが、新井白石とも親交があり、吉宗のブレーンとなった儒者であるという。「兼山秘策」には室鳩巣からの手紙なども収録されており、それにより、プレーンとしての活躍の一端が窺えるという。

徳川家宣・家継と徳川吉宗。それぞれに政治手法は異なるが、どの様な政治を行おうとしたのか、興味深く読むことが出来た。もっと掘り下げて欲しい内容である。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史(江戸)
感想投稿日 : 2015年2月2日
読了日 : 2015年2月2日
本棚登録日 : 2014年11月22日

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