昭和の車掌奮闘記 - 列車の中の昭和ニッポン史 (交通新聞社新書007)

著者 :
  • 交通新聞社 (2009年8月21日発売)
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感想 : 7
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戦後復興期の昭和28年に国鉄に入社し、昭和35年に
念願の車掌となる。その後、専務車掌に昇格し、退職す
る昭和62年まで「一車掌」として働き続けた著者によ
る列車の中の昭和史。戦後復興期から高度経済成長時代
を経て昭和の終焉へと至る時代の涙あり、笑いありの体
験記録。(2009年刊)
 はじめに
 第一章 少年期から国鉄就職まで
 第二章 普通車掌編
 第三章 専務車掌編
 第四章 専務車掌の楽しみ
 第五章 けしからん話
 第六章 乗務間合いの過ごし方
 第七章 あとがきに代えてー最終乗務の日

面白くて読みやすい。文書のテンポが良いせいかサクサ
クと読める。氏の著書は漫画カレチの参考文献にもあげ
られているが、仕事愛に溢れた内容である。
氏は中学校卒業後、工場で働きながら定時制高校へ通い、
18歳の暮れ、見習いとして国鉄に入社したという。
読んでいて感じたのは、社会全体が貧しかったと思うが、
そこそこ巻き返す事が可能な時代だったのではないかと
いう事である。(社会格差はあっても、絶望しなくて済
んだとでも言おうか、活力が溢れていた感じがする)

個人的には、客室専務車掌の夏服姿のスマートさが今で
も思い出される。当時は走っていた国鉄色のL特急、決し
て乗り心地の良いものではなかったが、旅情を掻き立て
たものです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 鉄道・航空・船舶
感想投稿日 : 2014年1月31日
読了日 : 2014年1月31日
本棚登録日 : 2014年1月26日

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