初代警視庁長官川路利良の生涯。
立身出世を目指していた若者が、権力の力に気づき取りつかれて、身を滅ぼすまでの物語。見事なまでに、上昇と下降の曲線描きます。
川路利良の自己評価と他人の評価のギャップが、結果論だけど分不相応なものを追い求めてしまって、使い捨てのような最後になってしまったのではないでしょうか。
とはいえ、他人から使い走りと嘲笑われても、自分の職務を忠実にやり続けるというのは、なかなか。仕事の義務や意義以外でやりがいを見出さないと難しいのでは。それを補うのはシンプルに、個人への忠誠心だったりするのかな、と思います。
やはり、西郷を裏切るべきではなかったのか。裏切った先にあったのが、国家というイデオロギーでなく、大久保個人というのも失敗であったのかな。
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- 感想投稿日 : 2017年5月9日
- 読了日 : 2017年5月9日
- 本棚登録日 : 2017年5月8日
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