様々な要素が混在する三十年戦争を、やや物語調で描いていて、非常に楽しく読むことができました。
ベルンハルトやヴァレンシュタインなどの傭兵隊長がいかにして三十年戦争に関与したか。特にヴァレンシュタインに関する記述は興味深かったですね。
また神聖ローマ皇帝フェルディナントの理想も面白い。皇帝軍は最初こそ快進撃だったものの徐々に勢いを失っていく・・・。ハプスブルク家の、この戦争を通しての栄枯盛衰がよくわかります。
そしてなんといってもグスタフ・アドルフのスウェーデン軍です。彼の登場が三十年戦争にとってどれほどの衝撃だったかを活き活きと描いていて、読んでいてわくわくしました。教科書などではグスタフ・アドルフの戦死後は詳しく書かれていませんが、オクセンシェルナやトルステンソンの活躍もしっかりと記述されています。
新書ということもあり、気軽に三十年戦争を学ぶのはもってこいの本だと思います。また読みやすい文体で、飽きることなく一気に読めてしまうのもいいですね。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新書
- 感想投稿日 : 2011年11月29日
- 読了日 : 2007年10月
- 本棚登録日 : 2011年4月2日
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