社会学入門: 人間と社会の未来 (岩波新書 新赤版 1009)

著者 :
  • 岩波書店 (2006年4月20日発売)
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身近な言葉である「社会」とは何か、私にとって抽象的すぎてとらえどころがなかったので手にとってみた本。社会といっても多様な社会の種類と見方があることを教わった。補章を残していたままで、時間があいての読了となったので内容がうすら覚え。また再読する。


【序章からメモ】

*社会学とは
・ 越境する知(Einbruchslehre)
・人間学:人と人との間にある:「人間」というもの自体が関係
→「自己とは他者である」by ランボー、マルクス
・「身体」自体が多くの生命の共生システム
・アクチュアルな生の関係のうちに織り込まれた<関係としての人間の学>
・越境する鮮烈な問題意識のうちにだけ存在する<遊牧する学問>のアイデンティティ


*社会の存立
・固有に集合的な諸現象を、現実に生成してしまうかぎりにおいて存立する
・論理的で相補的

1)共同体community=即自的な共同態=客観的ゲマインシャフト
→伝統的な家族共同体、氏族共同体、村落共同体のように宿命的存在として、全人格的に結ばれ合っている社会。

2)集列態seriality=即自的な社会態=客観的ゲマインシャフト
→市場における私的な利害を追求する行為に帰結される市場法則のような、どの当事者にとっても疎遠な物象化された社会法則を、客観的=対象的objectiveに存立せしめてしまうという仕方で存立する社会。

3)連合体association=対自的な社会態=主体的ゲゼルシャフト
→会社や協会のように、限定された利害や関心の共通性、相補性等々によって結ばれた社会。ルールの設定と順守が典型的存立の形式。

4)交響体symphonicity=対自的な共同態=主体的ゲゼルシャフト
→さまざまな形のコミューン的な関係性のように、個々人がその自由な意思において、人格的に呼応しあうという仕方で存立する社会。

※ゲマインシャフト=人格的personalな関係態
⇔ゲゼルシャフト=非人格的impersonalな関係態

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 新書
感想投稿日 : 2012年4月9日
読了日 : 2012年4月9日
本棚登録日 : 2012年2月20日

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