私、今村夏子さんのシュールなお話、苦手なんです。
だから皆さんのレビューを読んで、ずーっと避けてきました。でも‥‥避けているようで、いつも横目で見ている‥‥苦手!苦手!と声高に言う分だけ、誰よりも意識している‥‥もう、自分自身が今村夏子ワールドだよ!
“むらさきのスカートの女“
“黄色いカーディガンの女“
名前も知らないけど、よく会う人にこっそりあだ名をつけることはよくありますよね?
私は仕事でよく銀行に行くのですが、窓口でちょいちょい小銭を大量に入金するのです。『私ってきっと“ジャラジャラの女“とかあだ名つけられてるんだろうなぁ』なんて心の中で思ってます笑。
それにしても、やっぱり読んで良かった!面白かった!
黄色いカーディガンの女から見たむらさきのスカートの女の姿が延々語られます。初めは、『ふむふむ、むらさきのスカートの女ってこういう人なんだなぁ』と思って読んでいくのですが、途中から『いやいや、これはあくまでも黄色いカーディガンの女の主観なんだ』と軌道修正させられます。
日常生活の中で常々感じているのですが、同じ人や物事でも見る人によって感じ方がまっっっっったくと言っていいほど違いますよね。
人から聞いた話を鵜呑みにするのは危険だ!と改めて実感してしまいました。
百聞は一見にしかず、やはり自分の目で見て判断すべき‥‥いや、でも、それだって結局は自分に都合のいいフィルターにかけて見ているだけであって‥‥どこまでが真実でどこからが妄想なのか‥‥
結局、今村夏子に手玉に取られている私‥‥今村夏子、恐るべし。
それにしても黄色いカーディガンの女、切なすぎる。私も“ジャラジャラの女“なんて言われてないかもね。誰にも気付かれてないかもね笑。
- 感想投稿日 : 2022年7月30日
- 読了日 : 2022年7月30日
- 本棚登録日 : 2022年7月30日
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