神去なあなあ日常

著者 :
  • 徳間書店 (2009年5月15日発売)
3.87
  • (610)
  • (1147)
  • (757)
  • (77)
  • (11)
本棚登録 : 5764
感想 : 1072
4

高校卒業後の進路が全く決まっていなかった主人公の勇気。担任の先生と母親が勝手に決めてきた就職先に無理矢理送り込まれる。それが神去村。仕事は林業。
何事にもやる気を見せずボーッと生きてきた18歳に勤まるのだろうか?と勇気本人同様、読んでる私も心配(笑)
とにかく読んでいて自然の描写が素晴らしい!
『春はあけぼの、夏は夜‥‥』の現代版三浦バージョンのよう。
本当に素敵な所だなぁ、行ってみたいなぁ、と思わせられる。
だけどそれは多分旅行で行ってみたらすごく良さそうだなぁ、ということだと思う。でも勇気は違う。
勇気は一緒に仕事をしているヨキを山に選ばれた男、と思っているけど、勇気も充分山に選ばれてます。最初はあんなに嫌がっていたのに実家に帰ろうとはせず、「一時だって、神去村から離れたくない。毎日、退屈する暇もなく生命力を増していく村の風景を、なにひとつ見逃したくない。ダニに噛まれても、ヒルに血を吸われても。」‥‥って。しっかり選ばれちゃってるし、自分でも選んじゃってるよ。
三浦しをんさんらしいユーモアたっぷりのお話の中、『神隠し』とか『神おろし』とか『赤い着物の女、白い着物の女』とか。私はなんだか、そういうのってあるんじゃないかなぁと思います。神様とかお祭りとか昔から受け継いでいるものって大切にしなくちゃいけないなぁと。
しかし、「なあなあ」(ゆっくり行こう、まあ落ち着け)の精神がすご過ぎる!神去村!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年5月22日
読了日 : 2021年5月22日
本棚登録日 : 2021年5月22日

みんなの感想をみる

コメント 4件

アールグレイさんのコメント
2021/05/22

こんにちは!
神去なあなあ、読んだのですね。
こっとんさんのレビュー、ステキ!
「春はあけぼの、夏は夜・・・・」を用いているところがいい!
そうですよね!あの本を読んでいると、山林、木が行儀良く並んでいる様子が目に浮かびます。続編の「・・なあなあ夜話」読んで下さいね!もう、手元にあったりして 笑
私は、「花嫁レンタルいかがですか」という積読をかじり始めた所です。何とも言えない感じの題名です。大女優の娘が、世間から目立たぬよう地味に生きていた。母親が事故で亡くなり、父親が本当の親ではないと知り、ひとり暮らしをする。が、セクハラで仕事をなくし・・・・という所まで読みました。これからどうなるのでしょう。頭を抱えることなく読めそうな本です。
(^_^)/

こっとんさんのコメント
2021/05/22

ゆうママさん、こんにちは。
神去なあなあ面白かったです!
夜話の方も読まなきゃ!って思ってるけど、『読みたい』が多すぎて、図書館に予約してある本も多すぎて追いつかない(汗)
読んでも読んでもまた違う『読みたい』が増えてるし(笑)
『花嫁レンタルいかがですか」も面白そうですね。レビュー楽しみにしてます。

アールグレイさんのコメント
2021/05/22

こんばんは!
夜遅くにスミマセンm(__)m
すべての片づけを終わらせるとこの時間になってしまいます。
私も図書館に予約本が又1冊増えてしまいました。今日、TV王様のブランチで紹介していた本「スモールワールズ」連作短編集のようで、早速息子にパソコンで予約させました。お恥ずかしながらパソコンに弱い私なので・・・
20冊までで、これで16冊になってしまいました。もう、何と何が予約してあるかなんて覚えていません。自転しな・・元彼の・・神様当番・・・52ヘルツ・・カケラ・・等まったく、です。では読書タイムへ
(-_-)zzz

こっとんさんのコメント
2021/05/23

ゆうママさん、分かります!
予約本がどんどん増えちゃうんですよね〜
私たちは暇を持て余すことはなさそうで幸せですね。

ツイートする