神去なあなあ夜話

著者 :
  • 徳間書店 (2012年11月28日発売)
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感想 : 669
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前作『神去なあなあ日常』同様、主人公・勇気が神去村の自然を愛しているのがしっかりと伝わってきました。四季の美しさの表現がまたまた秀逸です。
今作は『夜話』というだけあって、神去村に古くから伝わる神様の話が多く出てきます。
居間でおばあちゃんが話す昔話をみんなで羊羹やみかんを食べながら聞くという形で。
それも、初めて聞く話ではないのに、結末も知っているのになぜかみんな興味津々で『それから?それから?』と身を乗り出して聞くという‥‥。
小さい時からずっと聞いてきたおじいちゃんおばあちゃんの昔話。山にも川にもどこにでも神様はいるということ。そして、それを迷信だと軽んじるのではなく、『神様は自分の中にいる』ということを村のみんなは分かっている。

「神さまって、そういうものなのかもしれないね。遠い空の彼方にいるんじゃなく、俺たちの心のなかにいて、いつも見ている。言葉や行動、嘘や本当を。」

と、まあ、こんな話を勇気の手記という形で面白おかしく読ませてくれるわけです。
今作で一番ウケたのは、クリスマスツリーにみんなで、千代紙で作った星や七夕風の飾りやてるてる坊主を飾ったところ。これ、大人たちが大マジメでやってますから(笑)
今回も笑わせてもらいました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年7月10日
読了日 : 2021年7月10日
本棚登録日 : 2021年7月10日

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