出会えて良かったと思える一冊。
生まれつき顔面に異常があったオーガスト。何度も手術を受け、さらに病気がちでもあったため、ずっと学校には行っていない。5年生になって初めて学校に通うことになる。今まで外出する度に受けた他人からの心ない視線や言葉。オーガストにとって学校へ通うことは恐怖でしかない。
実際、学校へ通い始めてからオーガストはイジメに苦しむことになるが、章ごとに語り手が替わり、同じ出来事を様々な視点から見ることができる仕組みになっている。
ここがこの作品の素晴らしい所だと思う。児童向けに書かれたであろうこの作品、語り手が一人だと考えを押しつけてしまう可能性もある。しかしこの作品では、人それぞれ色々な考え方があること、心の中では色々な葛藤があることが描かれている。
全体を通して『親切』という単語がたくさん出てきたのが印象的だった。
〜必要だと思うより、少しだけ余分に親切に〜
オーガストの母の言葉もステキだなぁ。「この地球上には、悪い人よりもいい人のほうが多い。いい人たちが、おたがいに見守ったり助け合ったりしている」こんな母がいたからオーガストはユーモアのある強くていいヤツに育ったのかも、と思ったりする。
『もうひとつのワンダー』ではイジメっ子の方の視点で描かれているらしい。どんな主張があるのか、是非とも読んでみたいと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年6月14日
- 読了日 : 2021年6月14日
- 本棚登録日 : 2021年6月14日
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コメント 2件
yyさんのコメント
2021/06/16
こっとんさんのコメント
2021/06/16