かくて行動経済学は生まれり

  • 文藝春秋 (2017年7月14日発売)
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従来の経済学(人間は合理的な判断・行動をすることが前提になっている)の理論をぶっ壊したのが行動経済学。その行動経済学の父と呼べるのが本書の主役カーネマンとトヴェルスキーの二人。その二人の生い立ちや交流、そして理論が生まれた経緯などが描かれているのが本書である。伝記やノンフィクションものといった感じの内容なので、行動経済学の教科書として考えている人には当然お勧めできない。行動経済学についてある程度知識のある人、特にカーネマンやトヴェルスキーの本や論文を読んで興味を持った人であればある程度は楽しめるだろう。しかし、全体的にまとが絞れていないことや調査不足(トヴェルスキーは故人なので取材できない。また、おそらくカーネマンへの取材もそれほど充実したものではなかったと推測できる)のためか読後の満足度はそれほど高くなかった。読んで損をするわけではないけど、同じように時間とお金をかけるのであれば、カーネマンの「ファスト&スロー」などを読んだ方が良さそうだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年10月11日
読了日 : 2017年10月10日
本棚登録日 : 2017年10月11日

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