筋肉バカの壁 [博士の異常な健康PART2]

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  • アスペクト (2007年8月23日発売)
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浅草キッドの水道橋博士が山本キッド化した肉体で、東京マラソン2007を走破!
2007年当時それまでスポーツや健康とは無縁だった44歳の博士が丸一年かけて自らの肉体を格闘技仕様の筋肉体に大改造し、その肉体をもって東京マラソンを完走するまでのドキュメント。加圧トレーニングの実践により肉体の山本"KID"徳郁化、マスターズ陸上(シニアの陸上大会)&ホノルルセンチュリーライド(100マイル自転車レース)、そして東京マラソン。

特にマラソン前日までの109日間の日記が興味深かった。44歳の肉体でリアルに体を鍛え上げている様子が息づかいとともに聞こえてくるようだ。トレーニング内容や走った距離だけが書いてあるのではなく、その日こなした仕事の内容など興味深い。やはり売れっ子芸人なので休日などはほとんどなく常に全力で生きている“熱”みたいなモノが伝わってくる。

生前の三島由紀夫が肉体改造をし、そのことを彼の死後、痛烈に批判した現東京都知事で、東京マラソンの最高責任者 石原慎太郎を登場させ、自らの行動と三島由紀夫を重ね、自分は三島由紀夫の亡霊で、石原に復讐するというイメージは斬新。

どの文章もボキャブラリーに富み、お笑い芸人であることも忘れさせない時々挟み込まれるギャグや、ダジャレがリズミカルで、一風変わったドキュメントとして仕上がっている。
石原知事から「小説は書かないのか」と聞かれ、最後に博士が知事に言った言葉「行動こそが創作活動に等しいんですよ」これには参った!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年2月2日
読了日 : 2012年2月2日
本棚登録日 : 2012年2月2日

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