同じ曲でも演奏する人と時と場所によって変わってくるように、人生の様々な出来事もそのタイミングによってその先の流れをどう変化させるか分からない。
主人公の二人のように、互いの心のひだまで分かりあえるような恋人との出会いは本当に稀有なラッキーなことで、それが成就できるとしたら本当に、細い急流を一粒の宝石を二人の手で握りしめて落とさないように下っていくように難しく、ロマンチックなことである。
けれどもまた、ゆったりとした流れの中で常に自分を支え続けてくれている人の存在も掛け替えのないものである。
「未来は常に過去を変えている。変えられるとも言うし、変わってしまうとも言える。」と何十年間音楽を演奏してきた蒔野の言葉にあるように、出会い、別れ、感動、苦悩を繰り返し人生という曲を書き、演奏してきた大人の素敵な恋愛小説だと思いました。
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- 感想投稿日 : 2020年5月26日
- 読了日 : 2020年5月25日
- 本棚登録日 : 2020年5月21日
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