「日本資本主義の父」「実業界の父」と呼ばれ、明治の国づくりに貢献した渋沢栄一の「論語と算盤」の現代訳。
氏が設立にかかわった会社は、現在のJR、王子製紙、帝国ホテルなど、なんと470社にも及ぶというから驚きである。
渋沢栄一氏は生涯を通じて「利潤と道徳を調和させる」ことを示し、国を富ませ、「人々を幸せにする」目的で事業を行ったという。「適材適所」といった人の使い方をはじめ、王子製紙時代の社長辞任といったある種ショッキングな具体的エピソードから、それが決してきれいごとではなく、心から信じ実践しているのだということがよくわかった。
「善悪を見分け、プラス面とマイナス面に敏感で、言葉や行動がすべて中庸にかなうものこそ常識である」といった氏の言葉や論語を基調とした経営哲学から、事業においてのみならず、日本人が忘れている道徳観や倫理観といった”原点”について考えさせられる一冊だった。
リーダーたる者の責任は大きい。常にたくさんの良書を読み、バランス感覚を磨くために日々努力しなければならないと痛感した。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
自己啓発
- 感想投稿日 : 2011年2月4日
- 読了日 : 2011年2月4日
- 本棚登録日 : 2011年2月4日
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