偶然を生きる (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA (2016年3月10日発売)
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本棚登録 : 15
感想 : 6
4

『天地明察』で本屋大賞を受賞し、人気作家に仲間入りした小説家、冲方丁。
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4041002923

その後に発表された小説も興味深い内容で、この作家さんの作品の発表・文庫化をチェックするようになりました。
その冲方丁が新書を出版したということで興味があり、電子書籍版で読んでみることにしました。

冒頭で、人間の”経験”を以下の四段階に定義しています。

・第一段階:直接的な経験
・第二段階:間接的な経験
・第三段階:神話的な経験
・第四段階:人工的な経験

これまでの人間社会の発展段階で、上記のどの”経験”が重要視されてきたか、現在はどうなのか。
その理解をするにあたってのキーワードとして、題名にもなっている「偶然」と、必然という言葉が挙げられています。

著者の定義における第三段階、第四段階が具体的にイメージ出来ず、正直、消化不良の部分がありました。
しかし、「世界というものをどのように捉えるのか」「その上で、”幸せを感じる”とはどういうことなのか」といったことを、読者に問いかけているのだろうなと受け取りました。

小説を読み続けていると、物語という存在の役割について考えることがあるのですが、本書を読んで、視点が広がったように思います。

小説家がどのようなことを考え、小説という形にして発表しているのか。
そのプロセスを垣間見させてもらえた、一冊でした。

『光圀伝 (下) 』冲方丁
https://booklog.jp/users/makabe38/archives/1/4041020492
 
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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自己啓発
感想投稿日 : 2017年1月5日
読了日 : 2017年1月5日
本棚登録日 : 2017年1月5日

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