「あの日」からぼくが考えている「正しさ」について

著者 :
  • 河出書房新社 (2012年2月25日発売)
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感想 : 48

高橋源一郎はやっぱりほんとうに信頼できる。真摯な、やわらかい言葉はすっと入ってきて違和感がない。高橋源一郎のことばを読むと、なんとなく良さそうに見えていた実はそれほど良くないことば、というのがはっきりとわかるようになる。心が折れそうになっている個人の側に立つ、真の文学者によるこの本を読むことで、わたしはすこしずつ、あっだいじょうぶかもっておもえるようになる。ありがたいなあ。


--「正しい」という理由で、なにかをするべきではありません。「正しさ」への同調圧力によって、「正しい」ことをするべきではありません。あなたたちが、心の底からやろうと思うことが、結果として、「正しさ」と合致する。それでいいのです。もし、あなたが、どうしても、積極的に、「正しい」ことを、する気になれないとしたら、それでもかまわないのです。……あなたたちには、いま、なにかをしなければならない理由はありません。その「時期」が来たら、なにかをしてください。その時は、できるなら、納得ができず、同調圧力で心が折れそうになっている、もっと若い人たちの分も、してあげてください。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年6月13日
読了日 : 2013年6月13日
本棚登録日 : 2013年6月13日

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