その科学が成功を決める

  • 文藝春秋 (2010年1月26日発売)
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いかにして成功を引き寄せるかというテーマは自己啓発本の王道だが、本書は自己啓発によく書かれるネタを統計や実験データを参照して本当に効果があるかどうかを検証している。

AmazonにあったFreshAirさんのレビューから抜粋すると

否定または疑問視されているのは

・成功をイメージする
・やる気をおこさせるために報償を与える
・マイナス思考をしないようにする
・気を引きたい相手にわざと冷たくする
・集団で考えると個人で考えるより良いアイディアが浮かぶ
・意志決定を集団でおこなうと良い決断ができる

効果がある、またはその可能性が高いのは

・目標を具体的にしてメリットをはっきりさせ、ノートを付ける
・面接のときは、最初に自分の弱みを後半に強みを話すと良い
・自分から相手に興味を持てば、相手も関心を持つ
・集団の創造性を高めるには、一人でもいいから時々メンバーを入れ替える
・むかつく経験から得たプラスの面を、あえて考えてみる
・しゃべっている相手の言葉を、別の言葉で言い換えたり相槌を打つ
・相手に少し触れることができると、協力的な態度を引き出すのに効果がある
・人間は「したこと」より「しなかった」ことを後悔する

この中で特に気になったのは以下の3つだ。
×・集団で考えると個人で考えるより良いアイディアが浮かぶ
×・意志決定を集団でおこなうと良い決断ができる
○・集団の創造性を高めるには、一人でもいいから時々メンバーを入れ替える

『群れのルール』という本でも集団についての法則が書かれていたのだが、多様な(局地的な)知識が集まるところに個人を超えた発想が生まれるのだという。つまり、ただたんに集団が集まるだけでは烏合の衆に過ぎないのだ。同じような環境で同じような教育をうけた人間が集まっても多様性は生まれにくいということがわかってる一部企業では、社員採用の際に出身大学や学部を分散させるというのも、その一例かもしれない。

メンバーを一部入れ替えると良いというのも実体験からなるほどと納得できた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自己啓発
感想投稿日 : 2011年7月7日
読了日 : 2011年1月5日
本棚登録日 : 2011年7月7日

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