サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

  • 河出書房新社 (2016年9月8日発売)
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めちゃくちゃ面白い。でも読むのが重たい。

科学革命。
西暦1500年頃まで、人類は新たな能力の獲得ではなく、既存の能力の維持だった。

私達は、知らないの前提に立つ。

これが重大な発見。
それまでの知識の伝統は、神(宗教)は全てを網羅する知恵を持っている前提。

知ることに革命が起きた。
そして帝国、資本主義と結びつき、科学は進歩を続けた。
進歩で得たものは、失いたく無い、パイは信用で広がり続ける。この先に待つのは何なのか?

今の自分達の基盤がどういったものの成り立っていて、どこにいるのか、そしてどこへ行くのか。変わることを選んだ不安に対して、幸福が科学・経済の進歩だけでは得られないことを知り始める。

宗教は、人の不安を取り除いてきたが、今、違う不安を幸福に変えるために見直されている。特に仏教の考えは面白い。喜びと不安の波に揺らぎ苦しむ。自らの感情は、すべて束の間のもの。真の幸福とは内なる感情の追求もやめること。

諸行無常は自らの内にもある。

幸福も科学した先に人は人でいられるのか、人でいる事にこだわる考えが古いのか、科学を身にまとい気が付けばフランケンシュタインになることさえ、違和感なく受け入れる時代が来るのか。

アフリカの片隅で生きていた動物が、自分自身の快適さ楽しみを追い続け、生態系を滅ぼしてしまうのか、自分が何を求めているかを知り、何を選択するのか。

おもしろい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2020年4月11日
読了日 : 2020年4月11日
本棚登録日 : 2020年4月11日

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