お目出たき人 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1999年12月27日発売)
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本棚登録 : 845
感想 : 85
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めでたいひと。

自分は自分の鶴に対する恋ほど、智的な運命のことを考え、自分のことを考え、自分の仕事を考え、2人の個性のことを考えた恋はなんですかと思っている。そうしてこの恋の成就によって幾多の事実、かくれたる事実を知ることができるのを信じてる。

ここではなんでも速いことが第一で、更なる刺激を希求する現代には、少々そぐわないかもしれない。いまはなんでも、例えばドラマや映画も、過激な展開と軽快なテンポばかり求められる。
立ち止まり、落ち着き、引き返したり、考えることを許されない。
人を好きになったとき、この『おめでたき』グダグダ精神こそ、ウジウジ描写こそが、いまの我々が思い起こすべき方向を指し示している気がする。

結局はぼーっと考えずに、すぐに行動することより、ゆっくりいけばいいんじゃない?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2014年5月17日
読了日 : 2014年5月17日
本棚登録日 : 2014年5月10日

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