諸星大二郎は偉大だ。確固とした知識と人間性についての深い洞察に裏付けられた空気感のなかにあっては、起承転結のテクニックなど小賢しくもあまりに表層的だ、と思わせてくれる作品が「塔に飛ぶ鳥」なら、底知れない謎のすべてがひとつのコマに劇的に収束する「鳥を見た」においては、その技量の深さに感嘆する。わたしは個人的にはギャグ系もけっこう好き。おやじギャグ満載の「何アホ言ってんじゃ」臭ふんぷんたる感じに、シュールがミックスされている。本作品集では「鳥探偵スリーパー」がそれにあたる。でもつまらない人はつまらないのかもしんないなあ、これ。
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コミクス
- 感想投稿日 : 2008年4月18日
- 本棚登録日 : 2008年4月18日
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